今回取材した《味津肥盧》のご主人・秋山さんは、『かみのやまラーメン』を創作した「もへず会」の有志のお一人ですが、秋山さんのこだわりは、ラーメンだけではありません。そばへのこだわりもハンパじゃありません。上山で自家製麺のおそば屋さん6軒で、「明日のそばを語る会」を発足、“そば”そのものを栽培しています。秋山さん達のそば作りに対する情熱と苦労をご紹介します。

この〈そばづくり奮闘記〉は、有限会社スタジオ・ワンが制作・発行している『月刊かみのやま』第3号に掲載されたものです。
そばづくり奮闘記

 平成4年に、私たちそば屋は何をしなければならないのだろうか?ということで、6店舗(但し会員は自家製麺の店に限る)で、そば、汁の研究、消費拡大のための宣 伝等々を目的に、ちょっと大げさな名前の「明日のそばを語る会」を発足させた。3,4年と会の活動を続けていくと次第にマンネリ化し始め、口べた、宣伝べたも災いして、なかなか成果が上がらず頭をかかえていた時、誰からともなく“自分たちの自家栽培のそばを作ってみては”という意見が出た。“お客様にそばの話が出来るそば屋”になろうと一致団結。さっそく準備にとりかかった。


 平吹正見さん(山元の菅)が快く畑を提供してくださり、恵まれたスタートと相成った。何も分からない私たちは試行錯誤を繰り返しながら、平吹さんの指導のもと、畑を耕し、種を蒔き、カモシカの防護ネットを張った。ある程度生育すると今度はそばの間引き、待ちに待った収穫時にはなれない鎌で刈り取りとすべてが新鮮だった。それだけではなかった。刈ったそばを束ね、天日に干し、ようやく脱穀というように、さまざまなことを成し遂げ、ついに「初年度にしては豊作だ」の平吹さんのことばに一 同大喜びすることが出来た。

 平成4年に、私たちそば屋は何をしなければならないのだろうか?ということで、6店舗(但し会員は自家製麺の店に限る)で、そば、汁の研究、消費拡大のための宣 伝等々を目的に、ちょっと大げさな名前の「明日のそばを語る会」を発足させた。3,4年と会の活動を続けていくと次第にマンネリ化し始め、口べた、宣伝べたも災いして、なかなか成果が上がらず頭をかかえていた時、誰からともなく“自分たちの自家栽培のそばを作ってみては”という意見が出た。“お客様にそばの話が出来るそば屋”になろうと一致団結。さっそく準備にとりかかった。

 ここで味のある話をひとつ。収穫のとき畑に落ちたそばの実を拾っていると平吹さん曰く「みつひろさん、畑に 落ちたそばの実はそのままにしておいて」と。私はもったいないといぶかしげな顔をすると「この畑にはカモシカも小鳥も来る、その小動物たちも豊作を分け与えてやらんなねんだ。」なるほど、自然と共に働いていている人は心が広いと感心した。

 翌年も豊作だったが、3年目に思いもかけない落とし穴があった。蒔いた種が大雨で流され、再度蒔こうとしたが断続的に雨が降り、その適切な時期を失った結果、蒔いた実より収穫が少ないありさまだった。本当に大自然を相手に仕事をしている農家の人たちのご苦労が身にしみ、やはり経験が必要と痛感させられた。そんなこんなで、今年で五年目を迎えた。

 また、上山の農家の人でもそばを作付けている人がいて、その人から原そばを譲っていただき、自分たちが自家栽培したそば粉で。11月に期間限定の地元産のそばを提供しています。その前に試食会として「地元産新そばを食う会」を実施しています。(10月に会員の店に「新そばを食う会参加者募集」の告知を致しますのでどうぞ参加してみて下さい)なお、「一力」、「みつひろ」、「さかえや」、「一休」、「みさき」、「川芳」の6店舗が会員となっています。


 話は変わりますが、今年も8月には全国でも気候・風土の関係で山形県でしか収穫できないという「夏そば」を限定で出します。秋そばと比べて甘みがあり、涼味満点のそばですのでぜひご賞味ください。お盆の頃ご来店いただくとちょうど「夏そば」のタイミングです。

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